二つの書類、一枚の用紙
ドイツやイタリアには、死亡の事実を公的に証明する単一の書類(Sterbeurkunde、certificato di morte)がありますが、日本にはこれに完全に対応する一枚の「死亡証明書」はありません。代わりに、二つの異なる役割を持つ書類が組み合わさっています。
死亡診断書
医師が、その方が死亡した事実とその原因を医学的に証明する書類です。病死・自然死の場合は担当医が、事件性の確認が必要な場合は代わりに死体検案書が作成されます。実務上はA3用紙の左半分が死亡診断書です。
死亡届
ご遺族が市区町村役場に死亡の事実を届け出るための書類です。同じA3用紙の右半分に、届出人が記入します。死亡届を提出することで、初めて戸籍に死亡の事実が反映され、火葬許可証が交付されます。
いつ、どこに提出するか
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡した場合は3か月以内)に提出する必要があります(戸籍法第86条)。届出先は、故人の本籍地・死亡地・届出人の住所地のいずれかの市区町村役場です。提出は多くの場合、葬儀社が代行してくれます。
写しを何枚用意すべきか
死亡届の原本は市区町村役場に提出すると返却されません。そのため、生命保険会社への請求など、複数の機関に提出が必要になりそうな場合は、提出前にコピーを取っておくか、病院の窓口で死亡診断書の写しを追加で発行してもらうことをお勧めします。あとから請求し直すと、時間も費用も余計にかかります。
相続人であることの証明にはなりません
ここが最も見落とされやすい点です。死亡診断書・死亡届は、あくまで死亡の事実を証明するものであり、誰が相続人であるかを証明するものではありません。銀行口座の解約、不動産の相続登記、証券口座の名義変更など、相続に関わる手続きでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式(または、それをまとめた法定相続情報一覧図の写し)が別途必要になります。
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携帯電話・インターネットなど、簡単な契約の解約
死亡診断書(または死亡届)の写しで足りることが多いです。 -
銀行口座・保険会社など
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式、および相続人の戸籍謄本が必要です。
死亡診断書・死亡届についてのよくある質問
死亡診断書と死亡届は同じものですか?
いいえ、異なります。死亡診断書は医師が死亡の事実を証明する書類で、死亡届はご遺族が市区町村役場に死亡を届け出るための書類です。実務上は同じA3用紙の左右に印刷されており、左半分が死亡診断書、右半分が死亡届です。
死亡届はいつまでに提出する必要がありますか?
死亡の事実を知った日から7日以内です(戸籍法第86条)。国外で亡くなった場合は3か月以内となります。届出先は、故人の本籍地・死亡地・届出人の住所地のいずれかの市区町村役場です。
死亡診断書のコピーは何枚必要ですか?
死亡届の原本は市区町村役場に提出すると返却されないため、複数の機関(生命保険会社、銀行など)に提出する可能性がある場合は、提出前にコピーを取るか、病院で死亡診断書の写しを追加発行してもらうことをお勧めします。
銀行や相続手続きでは、死亡診断書だけで十分ですか?
いいえ。死亡診断書は死亡の事実を証明するものであり、誰が相続人であるかを証明するものではありません。銀行口座の解約や相続登記など相続に関わる手続きでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式(または法定相続情報一覧図の写し)が必要になります。